サルでも使える新iPhone噂のDockコネクタ

(フランスからリークした新ドックコネクタは本物?偽物?インダストリアルデザイナーのドン・リーマンさんが検証します!)
9年愛用されてきたアップルの30ピンコネクタ、みなさんならどう改善しますか?
とりあえずサイズは小さくしますよね。ガジェットは小型化する一方ですから。あとは複雑さを減らすことかな...どうせだったら誰でも簡単に使えて、簡単に作れて、不良品も少なくて、エコで、安いコネクタがいいですよね。
以上2つの改善を図るとなると浮上してくる第3の課題は、長寿にすること。
コネクタは長もちするものを作らなきゃいけません。永久にもつ技術なんてないけど、コネクタは影響大きいので。先の四半期だけでアップルはiPhone、iPad、iPodを合計なんと5000万台近く売りました(これでも予想を下回る業績って...どんだけ売れば満足なんでしょうね)。これ全部30ピンコネクタ。次の10年でアップルは新たに10億個コネクタ作りまくらなきゃならないんですね。

また、コネクタは複数の製品の型で共通して使えるものでなくてはなりません。今ならスマホ、タブレット、PC、MP3プレーヤーですが、将来発明する可能性のあるものも射程に含めて考える必要があります。最初の30ピンコネクタが出荷されたのはiPhoneが出る4年前でしたもんね。言うまでもなく新コネクタ開発で一番難しいのが、この寿命をなるべく長く確保する部分です。
というわけで、サイズ減らし、複雑さ減らし、長寿、と3条件揃いました。
但し、こうして条件並べるだけじゃデザインのブリーフィングとしては失格で、そこには何かチームが一丸となって向かっていけるスローガンがないといけません。製品PRにそのまま使えるような。その言葉を言うだけで聞き手にピピンと話が通じる言葉。無論これが開発のゴールでもあります。
最近リークしてきたiPhone 5のドックなるものの姿を見て頭に浮かんだ言葉はズバリ、「バカでも使えるDockコネクタをデザインせよ」。
そもそもコネクタとはなんぞや? というところから考えてみましょう。コネクタとは「穴に入れると2つの金属の端が接触して回路になって繋がる棒」...ですよね。
でも現実のコネクタの多くは物理的にもっと複雑です。コネクタをポートに挿し込む時は、単純に棒を穴に挿し込んでるんだなって思いますよね? ところが実際には受ける側の穴にも棒がありまして、そこに噛み合うようにしてるんです。こんな風に挿し合ってる...。

普通はこれでOKなんですが、ふたつのパーツを噛み合わせるのはただ挿し込むより大変だし、損傷の原因にもなります。曲がってるVGA端子とか、USBコネクタも何回も向き変えてやっと挿し込めたりしますよね? あれを想像するとわかるんですが、今の30ピンコネクタもこんな風にデザインされているのです。
もっとベターでシンプルなデザインとなると、きっと今みんなが思ってるような「穴に棒を挿し込む」単純なものになるんじゃないかなあ、と。こんな風に。

こういうデザインのコネクタも既にあります。例えばヘッドフォン専用ジャックがそれ。複雑さが減ると、エラーが出る可能性も減るんですね。
端が金属のコネクタはシグナルを常時確保するためにも接触がコンスタントじゃないといけません。つまりコネクタとポートは普通、硬いソリッド(個体)な金属片が柔軟な金属片と接触するようデザインされてる、ということ。 柔軟なピースが硬いピースをしっかり抱きしめ、それでシグナルロスを防いでいるのです。柔軟なパーツはpogoピンから(30ピンコネクタ内のように)物理的に曲がる薄い金属片まで様々あります。
ソリッドなパーツの方は強度があります(ソリッドなので)。柔軟なパーツの方は動ける分、もっと弱い。弱いので柔軟なパーツは窪ませて保護してやらないといけません。

これを見て最初に目に留まるのは、8本のゴールドピン。小さくて、レーストラックのような形で、平ら。なんかSDカードとかアップルのOS X Lionインストール用USBスティックみたいですよね。強くてソリッドな金属片が外に出ていて、弱くて柔軟な金属片はたぶん端末のポートの端の中に隠れてる...。
ソリッドなゴールドピンは互いに離れて長方形の白いプラスティック片の中に納まってます。で、写真ではその長方形のプラスティックは平らなシルバーの棒の端にありますよね。 棒はソリッドな感じですね。30ピンコネクタみたいに、穴の開いた棒を、棒のある穴に挿し込む、というのじゃないです。とてもシンプルな「穴に棒」のデザイン。
この2つのデザイン(ソリッドなゴールドピン×ソリッドで平らな棒が表に出ているデザイン)は、30ピンより格段に耐久性ありそうですよ。繰り返しになりますがデザインは単純なほど、ミスは少ないですからね。これならヘッドフォン専用ジャック並みにシンプル――これはこのデザインの譬えとして一番しっくりくる表現かもしれません。
さらに詳しく掘り下げてみましょう。
