via tumblr http://kerobeer.tumblr.com/post/26051350172
via tumblr http://kerobeer.tumblr.com/post/26051310798打ち上げから約5ヶ月、「のぞみ」は2回の月スイングバイを行い、予定通りの軌道を航行していました。そして、12月20日、地球スイングバイと同時にロケットを噴射し、いよいよ火星へ向かう軌道へ入ります。スイングバイの瞬間はちょうど無線通信ができない場所にあるため、あらかじめ指定した時刻にロケットを噴射するようにプログラムを送信しました。事前の軌道調整ではプログラムがうまく動くことを確認していたので、担当者は全員スイングバイ完了後の運用に備えていました。
しかし、スイングバイ後に入ってきたデータは「速度不足」。ロケットの噴射が足りなかったのです。正しくプログラムしていたはずなのになぜ?
原因は、前述したアメリカの探査機の事故を受けて施した対策でした。ロケット燃料が逆流して爆発したことから、配管に逆流防止弁をつけたのですが、それがちゃんと開ききらなかったのです。そのため燃料不足となり噴射が足りなくなったのです。
火星へ向かう軌道に乗せるため再度ロケット噴射を行いましたが、そのときに燃料を使いすぎ、火星に到着した後ブレーキをかけるための燃料が足りなくなってしまいました。「のぞみ」を火星を回る軌道に乗せる方法を見つけるべく格闘が始まりました。クリスマスも年末年始も返上で考えた末に、ひとつの方法が出てきました。
火星は、地球に比べて細長い楕円軌道で太陽の周りを回っています。火星が太陽から遠ざかるときに到着するようにすれば探査機のスピードも遅くなるので、ブレーキ量も小さくなり、燃料も少なくて済みます。その他の要素を考慮に入れるともっとも条件がよいのは2003年の暮れ、それに合わせて火星に到着する軌道を割り出しました。それは、未だかつてないものでした。
地球から火星へ向かう軌道に乗ったいうことは、放っておけば火星から地球へ向かう軌道に乗ります。計算では2002年の12月に地球に再び接近することがわかりました。そこで、2002年12月と2003年6月に地球スイングバイを行い、2003年12月に火星に到着するという計画が組まれました。